『日本の料亭紀行』『タネが危ない』
最近読み終わった本を簡単に紹介。
『日本の料亭紀行』
- 作者: 葛城三千子
- 出版社/メーカー: 右文書院
- 発売日: 2011/09
- メディア: 単行本
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あまり料亭に行ったことがない人のために巻末には、「料亭の楽しみ方」「これから料亭へ行こうとする人のために」という章も設けてある。ぜひ本書を読んで、料亭に行ってほしい。料亭が100倍楽しめるはずである。
『タネが危ない』
- 作者: 野口勲
- 出版社/メーカー: 日本経済新聞出版社
- 発売日: 2011/09/06
- メディア: 単行本
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あまり一般に知られていないが、タネには固定種とF1種がある。固定種とはオリジナルのタネのことで、F1種とは品種改良されたタネのことだ。F1種から出来る野菜は、大きさも風味も均一であり、大量生産・大量輸送しやすいので、私たちが口にする野菜はほとんどF1種から出来ている。それだけ聞くとF1種の方が良さそうに聞こえるが、F1種は雄性不稔という花粉のできない突然変異の個体(子孫を残せないミトコンドリア異常の植物)から作られているという事実を知ると少し気味悪い。本書は固定種が消え、F1種が席巻する現代を憂いている。
先日私が紹介した蜂群崩壊症候群(CCD)に関しても、筆者なりの仮説をたてていて面白い。筆者の仮説はこうだ。雄性不稔F1種子の蜜や花粉を与えられて育った女王バチに異常な遺伝子が継代して蓄積され、その女王バチからやがて無性生殖の雄バチが誕生する。巣はだんだん無性子症の雄バチで満たされていき、雌の働きバチたちがそのことに気づいたとき、巣の未来に絶望して巣を見捨てて飛び去ったと言うものだ。筆者の仮説が正しいかどうかは今後の研究に期待する。